加害者側の保険会社の対応が悪い場合の正しい対処法
交通事故で被害に遭っただけでなく、損害賠償金を支払ってくれるはずの保険会社の態度まで悪くて腹が立つ、というお悩みはよく聞きます。
「加害者側の保険会社の担当者の態度が悪すぎて不満」というケースでは、治療に専念したいのに、電話がかかってくる度にストレスがたまるという方もいらっしゃるでしょう。
実際に、保険会社とのやりとりを苦痛に感じて、ご相談に来所される被害者は多いです。
今回は、保険会社とのやりとりに困っている方のために、保険会社の対応が悪い場合の対処法を解説します。
このコラムの目次
1.保険会社の対応に関するよくある不満
交通事故の被害者がその後の保険会社とのやりとりに疲れてしまうというのは、実はよくあることです。
不満の具体例として、以下のようなものをよく聞きます。
(1) 上から目線で話される
保険会社の担当は、毎日何件も被害者の対応を抱えているのが一般的です。
そのため、事務的な対応を取る人も多く、被害者にとっては冷たい対応と捉えられがちです。
毎日のように何度も説明している内容のため、被害者から見ると「上から目線で話している」と捉えられるような、高圧的な態度をとる人もいます。
(2) 専門用語でまくし立てられる
被害者にとっては初めての交通事故です。しかし、保険の担当者には慣れた事故のため、専門用語を使いながら、淡々と話を進めていくことがあります。
いきなり過失割合、症状固定などの専門用語を話されても、意味がわからずどう対応してよいか戸惑ってしまうでしょう。
(3) 手続きが遅い、ダラダラしている
手続きがいつになったら始まるのか分からず、ヤキモキする被害者の方もいらっしゃいます。
事前に質問したはずなのに、再度連絡しても答えが返ってこないなど、手続きの遅延を訴える方もいらっしゃいます。
(4) 保険金が想像以上に少ない
相応の慰謝料額、治療費がもらえると考えていたのに、いきなり治療費が打ち切られる、慰謝料額が少なくて困っているという苦情もあります。
被害を被っているのですから、適正額を請求するのは当たり前であるのに、交渉すると嫌そうな態度を取られるというケースもあるでしょう。
(5) 保険会社から連絡がこない
担当者からなかなか連絡が来ず、イライラするという不満もあります。
担当者が不足している場合は、1人で何件も抱えていることが多く、手が回っていないことが考えられます。
このように、被害者からは保険会社に対するさまざまな不満が挙がってきます。
2.保険会社とのやりとりのデメリット
保険会社の対応が悪いと、被害者にとってもデメリットが増えていきます。例えば、以下の通りです。
(1) 余計なストレスがたまる
交通事故被害に遭うと、負傷の影響で仕事を休まなければいけなくなるなど、生活に様々な支障が出ます。
そのため、できる限り早く日常生活を取り戻したいところですが、保険会社の対応が悪いと余計なストレスがかかります。
(2) 治療に悪影響が及ぶ
ストレスがかかると、完治まで時間がかかってしまうことがあります。心理的な負荷は身体にも及ぶのです。
ストレスが多いと治療が長引き、その分被害者の負担が余計に増えてしまうでしょう。
(3) 示談交渉が遅延する
示談交渉が本格化するのは、治療が終了した後です。治療費の全体額を計算しなければいけないため、示談交渉は後になります。
しかし、治療が長引くと示談交渉は遅延してしまい、事件解決までの道のりが長期化しがちです。
担当者の態度が悪いと交渉で揉めてしまうことも多いので、余計な時間もかかります。
(4) 適正額の慰謝料がもらえない
保険会社の担当者の態度が悪いと、被害者は「できるだけ早く終わらせよう」と考えがちです。
そうすると、交渉ごとが保険会社にとって有利に進み、妥協した額で慰謝料額に納得してしまうケースもあります。
このように、保険会社の担当者の態度が悪いのを放置しておくと、よいことはありません。適切に対処して、示談を進めていく必要があります。
3.苦手な担当者への対応方法
次に、態度の悪い・苦手な保険会社の担当者に対して、どのように対応すべきかをご提案します。
(1) 初期対応|お客様窓口に相談する
担当者の態度が悪いと、被害者にとって悪影響です。
そのため、ストレスを感じるようであれば、まずは以下の対処法をとってみてください。
お客様窓口に相談する
どの保険会社であっても、問題があった場合に対処できるようにお客様相談窓口を設けています。担当者の対応が酷い場合は、お客様相談窓口に電話して対応の悪さを伝えましょう。
感情的になってしまうと、厄介な人のような扱いをされてしまうので、淡々と事実を話すようにすべきです。
「連絡してこない」、「被害者の話を聞かず、高圧的な態度をとる」など、具体的に何がどう悪いのかを伝えるのが効果的です。担当者に言われた言葉なども、メモしておくとよいでしょう。
担当者を替えてもらう
相談しても特に対応に変化がなかった、あるいはもう話もしたくないという場合は、同じ窓口で担当者を替えてもらいましょう。
今後の示談交渉をスムーズに進ませるためにも、担当者の変更の打診を自らしてみるのがおすすめです。
そんぽADRセンターに連絡する
お客様窓口では十分な対応が得られなかったという場合は、そんぽADRセンターに連絡すれば苦情を受け付けてくれます。
センターの相談員が保険会社との間に立ってくれ問題を解決できるように援助してくれます。
もっとも、保険会社によってはそんぽADRセンターと契約をしていないケースもありますので、確認が必要です。
(2) 根本的な解決策|弁護士に相談する
先にお伝えした初期対応は、被害者がご自身で動かなければいけないという点で不便があります。
治療を継続しながら、苦情を申し立てるのは大変なことです。
「時間も、労力ももうかけたくない」という方は、弁護士に相談するのが一番といえます。
弁護士にご相談いただければ、今後の保険会社とのやりとりはすべて弁護士が行うため、被害者の方は治療に専念していただけます。
弁護士は100%被害者の味方です。被害者にとって有利になるよう交渉するのはもちろん、被害者の不満もしっかりと担当者に伝えます。
場合によっては、担当者の交代も打診し、示談交渉を円滑に進めていきます。
費用のご心配がある場合でも、ご自身が加入している任意保険に弁護士特約があれば安心です。保険で弁護士費用をまかなえるので、実質的な負担をせずに事故対応すべてを任せられます。
加入していない場合でも、初回相談は無料の法律事務所も多くありますので、お近くの法律事務所にご相談してみることをおすすめします。
ご自身で保険会社への対応ができない場合や、そもそももう関わりたくないという方は、弁護士に相談することを検討してみてください。
4.保険会社とのやりとりを弁護士に任せるメリット
最後に、保険会社とのやりとりを弁護士に任せるメリットをご説明します。
弁護士に保険会社とのやりとりを任せるメリットとしては、主に次の3つが挙げられます。
- 精神的に解放される
- 法的アドバイスが受けられる
- 慰謝料の増額もできる可能性がある
まず、一番のメリットは、保険会社とのやりとりをすべて弁護士に任せることができるため、担当者と話すストレスがなくなり、精神的に解放されるという点です。
手続きの遅延を心配する必要もないため、無駄に怒りを溜め込む必要もなくなります。
先にお伝えした通り、不満があれば弁護士を介して伝えることができるのも、被害者にとって大きなメリットでしょう。
また、弁護士に依頼すれば、法律のプロに対して直接疑問を聞くことができ、今後のアドバイスも受けられるため、安心して交渉を進めていくことができます。
さらに、慰謝料の額も増額できる可能性があります。
弁護士に依頼すると、弁護士基準と言って裁判で利用される慰謝料算定の基準を利用できます。
一般的に任意保険会社が提示する基準よりも額が高くなる基準ですので、適正額の慰謝料を受け取ることが可能です。
このように、弁護士に依頼することには大きなメリットがあります。
保険会社とのやりとりに苦慮されているのであれば、一度弁護士に相談することも検討してみてください。
5.保険会社との対応を任せるなら弁護士にご相談を
泉総合法律事務所は、交通事故案件を数多く取り扱い、多くを解決に導いています。「担当者とのやりとりが辛い」というご相談内容もいただくことがありますが、被害者のお話をしっかりと聞き、適切に対処しております。
現在、交通事故でお悩みの方は、ぜひ泉総合法律事務所大宮支店にご相談ください。埼玉・大宮の地域事情にも詳しい弁護士が、全力でサポートいたします。
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