刑事事件

万引きの罪名は「窃盗」!示談で解決できるのか?

万引きをすると、窃盗罪として処罰を受ける可能性があります。
しかし「初犯である、被害額が少ない」などの事情がある場合には、起訴されずに済むことも多く、結果、万引きを止められず癖になってしまう方もいるようです。

今回は、万引きの罪名・罰則などの基本的な内容から、逮捕後の流れ、示談の方法についてわかりやすくご説明します。

1.万引きの罪名は「窃盗罪」

まずは、万引き(窃盗罪)の刑罰や再犯の可能性についてご説明します。

(1) 窃盗罪の罰則

10年以下の懲役または50万円以下の罰金

スーパーや雑貨店、衣料品店などでよくある犯罪といえば「万引き」です。

万引きは、お金を払わずにお店や他人の物を勝手に持って行ってしまうため、他人の所有権や財産権の侵害となります。したがって、窃盗罪として処罰され、刑法では以下のように罰則が定められています。

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

窃盗罪の罰則は「十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」です。
「万引き程度で懲役なんて科せられるはずがない」と考えるかもしれませんが、刑法上に規定されている以上、場合によっては懲役刑もありえます。

刑罰に関しては、初犯であるかどうか、示談があるかどうか、悪質性、その他被害額などに鑑みて、どの程度の刑に処するのが適当かを判断します。

万引きであったとしても、窃盗罪にあたる犯罪行為には変わりないため、このような重い罪に科せられる可能性はあるのです。

(2) 万引きは再犯率が20.3%

万引きは繰り返されやすい犯罪といわれることもあります。
平成29年度の法務省の統計によると、窃盗で検挙された者のうちの20.3%が窃盗罪の再犯者です(※)。

万引きを行ってしまう方の中には、興味本位や一瞬の気の迷いで一度だけやってしまったという方もいるでしょう。しかし、その後も犯行を繰り返し、自分の意思ではどうしても止められないという方もいます。

なぜこのような行動をとるのかというと、クレプトマニアという精神疾患が潜んでいると考えられています。何度も繰り返す場合は、クレプトマニアに当たる可能性がありますので、一度診察を受けてみましょう。

※参考資料:平成29年犯罪白書

2.万引きで逮捕されるとどうなるか

次に、万引きで逮捕された場合の逮捕後の流れと量刑についてご説明します。

(1) 万引きで逮捕された後の流れ

現行犯逮捕か後日逮捕

万引きの逮捕は、現行犯逮捕が一番多い例でしょう。犯行時に他のお客に見られる、店員に見られる、警察官に発見されるなど、犯行時に現認されるケースが一般的です。

また、その場で見つからなかった場合に逮捕されないという保証はありません。

スーパーマーケットなどでは、防犯カメラが設置されているのが一般的です。
このカメラの映像から犯人を割り出し後日逮捕という形が取られることもあります。

逮捕後の取り調べ〜勾留、起訴

逮捕後は、まず警察署で取り調べを受けます。そして逮捕から48時間以内に事件と身柄が検察に送致されます。

検察官も取り調べを行い、身柄を受け取ってから24時間以内に勾留請求を行うかどうかを決定します。勾留が決まればまず10日間、その後勾留の延長があればさらに最大10日間身柄を拘束されることになります。

起訴〜判決

勾留中に起訴が決定すると、その後、最短で1ヶ月程度で裁判が開かれ、争いがない事件であればすぐに判決がされます。

有罪となった場合には前科がついてしまうため、できる限り不起訴に持ち込むことが大切です。
略式請求であった場合には罰金刑で終結しますが、それでも前科はつきます。

(2) 万引きの量刑

被害額がごく僅少な場合には、被害弁償を行えば注意を受けるだけで微罪処分として扱われ、検察官送致が行われない場合もあります。

しかし、被害額が大きい場合や、常習性が疑われるような場合であれば、逮捕されその後起訴されるということも十分に考えられます。

仮に窃盗罪として起訴された場合には、平成29年度の統計(※)では、約6割が懲役刑(執行猶予判決を含む)となっています。罰金刑は4割程度です。
刑期は3年以下が93%となっています。罰金の場合は、30万円から50万円程度の額が多くなっています。

再犯の場合は、初犯よりも厳しい刑罰が予想されます。

初犯の場合、被害金額が少なく被害の賠償を行なっていれば、微罪処分か罰金の可能性が高いです。
しかし、再犯になると、起訴され、懲役刑となる可能性が極めて高くなります。

初めて公判請求された場合で、常習性や転売目的が認められない場合などであれば、執行猶予の可能性が高くなります。もちろん示談が成立しているかどうかも重要なポイントです。

このように、万引きで逮捕されると、初犯であれば多くは軽い処分で済みますが、悪質なケースや被害額が大きい場合、再犯の場合には起訴され懲役刑の可能性もあります。

※前出「平成30年度犯罪白書」による

3.万引きにおける示談の意味

最後に、万引きにおける示談の重要性と被害弁償の具体的な内容をお伝えします。

(1) 万引きにおける示談の重要性

万引き事件において、示談の成立は非常に重要です。

例えば、示談をまとめると以下のような有利な扱いを受ける可能性が高くなります。

  • 微罪処分として前科がつかずに終わる
  • 不起訴処分となる(前科がつかない)
  • 勾留を回避でき、早期に釈放される
  • 量刑に反映される

逮捕前に示談が成立すれば、微罪処分として注意だけで終わる可能性もあります。
逮捕後であっても、勾留請求を回避する、不起訴にすることが見込めます。

仮に起訴されることになったとしても、罰金刑で済む、懲役刑が軽くなる、執行猶予が付くなどが予想できます。

早い段階で示談を成立させれば、それだけ周囲への影響も少なくなるということです。

示談は、被害が回復され、処罰感情が減少していると評価されるため、軽い処分で終結させるために示談は非常に有効です。

示談は、万引きをした被疑者が被害者への謝罪を表明し、被害弁償を行うことが内容となります。
被害者に「処罰を望まない」という意味の宥恕(ゆうじょ)文言を示談書に加えてもらえれば、示談が最も成功したことになります。

(2) 被害弁償の内容

万引き事件において、示談を成立させるためには被害弁償が必須となります。

被害弁償とは、盗んだものなどの損害を被害者に賠償することです。「どのくらいの金額を支払えば良いのかわからない」という方も多いですが、決まった金額はありません。

現行犯逮捕され、その場で商品を回収されたケースでは、商品自体の損害は生じていない場合もあるので、その場合は慰謝料や「お詫金」名目等での示談金だけを支払うことになります。数万円から10万円程度の場合が多いでしょう。

食料品や開封してしまった品物のように、商品を返還しても再度販売することは難しいケースでは、新品の当該商品の金額を損害賠償金として支払う義務もあります。

もっとも、万引き事件で、高額な金額を支払うことはほぼありません。万一、数百万円請求される場合などは、不当に高い金額を要求されていますので、弁護士に相談をするべきでしょう。

示談を行う場合は、弁護士を依頼して適正額の被害弁償をおこなうようにしましょう。

4.万引きで逮捕されたら弁護士にご相談を

万引きは軽い犯罪と捉えている方も多いですが、窃盗罪の刑罰を見てみると懲役の可能性もある重い犯罪であることが理解できます。

万引きを繰り返してしまっているという方も、今現在逮捕されていないからといって、この先も逮捕されないとは限りません。

不安がある場合は、できるだけ早く弁護士にご相談ください。早めに対処することで損失を最小限にとどめることができます。

泉総合法律事務所では、窃盗罪の事案も多数取り扱っているため、経験豊富な弁護士が最良の対応策をご提案いたします。早期に示談をまとめ、十分に反省して元の生活を取り戻すサポートをいたしますので、ぜひ一度ご相談ください。

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